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Twitter Send 2010/08/31 10:31 KST
≪解説≫米国の対北追加制裁、金総書記の「統治手段」に照準


【ワシントン30日聯合ニュース】オバマ米政権が30日に大統領令で発動した新たな対北朝鮮制裁は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の統治手段となる資金源に狙いを定めている。既存の制裁リストに団体・個人を加えるだけでなく、武器売買、ぜいたく品の輸入、紙幣偽造や密輸といった北朝鮮指導部の不法活動に焦点を当て、制裁を加えられる法的根拠を制定することで、制裁手段を制度化するという形が取られた。

 北朝鮮への制裁を盛り込んだ国連安全保障理事会決議では、不法活動が制裁の対象とされているが、これまで米国ではこれらを制裁する法的根拠がなかった。そのため、米国が過去に出した経済制裁リストでは、主に大量破壊兵器(WMD)の拡散に関わった北朝鮮の24団体と個人4人が制裁対象に挙がっていた。

 こうしたことから、今回の大統領令は、従来の制裁とはまったく異なるターゲットに向けた米国の「制裁手段」が法制化されたという点で意味が大きい。特に、北朝鮮で最も重要な現金獲得手段となる武器販売、エリート層の管理に用いるぜいたく品輸入、秘密資金造成手段となる偽造紙幣、偽たばこ、麻薬などの取引といった不法行為に圧迫を加えており、過去の制裁とは質的にも異なる。

 新たな大統領令に基づき制裁リストに記された北朝鮮の3団体・個人1人は、いずれも金総書記に最も近い補佐機関・個人だ。このうち、北朝鮮指導部の秘密資金を扱う「朝鮮労働党39号室」、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件を主導したとされる人民武力部傘下の偵察総局は、党と軍の中核組織で、紙幣やたばこの偽造、アヘン栽培、麻薬取引などの中心となっている。偵察総局の管理下にある武器製造・貿易企業の青松連合、金総書記の側近である金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長も制裁対象に含まれ、不法活動による統治資金源を断つという米国の強い意志が読み取れる。

 米中央情報局(CIA)は、2005年ベースで年間17億ドルの北朝鮮輸入額のうち、不法活動による輸入が10億ドルに達すると見込む。この多くは紙幣偽造によるものと分析している。

 オバマ大統領は、制裁は武器取引、マネーロンダリング(資金洗浄)、紙幣偽造、現金密輸、麻薬取引などの違法な経済活動を通じ、北朝鮮政権を支援する国際ネットワークに焦点を当てるもので、北朝鮮住民や住民に人道支援物資を提供する人々を狙ったものではないと、北朝鮮指導部と住民を別個に考える姿勢を示した。

 米政府はまた、既存の大統領令に基づき、WMD輸出入の中心的役割を果たす5団体、個人3人を制裁対象に追加した。尹浩鎮(ユン・ホジン)南川江貿易会社責任者、李済善(リ・ジェソン)朝鮮原子力総局総局長、李弘燮(リ・ホンソプ)元寧辺原子力研究所長の3人は安保理決議の制裁対象にも含まれていた人物だ。

 団体のうち、党軍需工業部は名目上は1機関だが、傘下に北朝鮮の弾道ミサイル開発・輸出・部品輸入を手掛ける多くの会社を抱えている。弾道ミサイルの開発を監督する第2経済委員会も、多くの銀行・企業を傘下に置く党機関だ。

 ここ数年間、WMD関連などで制裁リストに挙がっていた団体・個人が計28だったことを考慮すると、今回は12の団体・個人を新たに加え、制裁を大幅に拡大したことになる。

 金総書記は先の中朝首脳会談で、北朝鮮核問題を話し合う6カ国協議の早期再開を希望し、非核化の意志は変わらないとのメッセージを伝えたが、米国の制裁発表により、米朝の緊張が高まることが懸念される。

japanese@yna.co.kr