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<インタビュー>北アルプスの登山情報を韓国語HPで発信 内野かおりさん
2014/04/15 14:23 KST文字拡大 文字縮小印刷 つぶやく

【ソウル聯合ニュース】北アルプスの上高地で、近年増え続ける韓国人登山客向けに韓国語のホームページ「キルチャビ(韓国語で道しるべの意)」で情報を発信する内野かおりさん(44)。両国の登山文化のギャップを埋める作業や韓国の山よりも過酷で危険が多い日本アルプスでの安全な登山の方法を伝える役割も担う。

 日本山岳会の保養施設「上高地山岳研究所」の管理人を務めるかたわら、2007年からホームページで日本の登山習慣や山小屋利用のマナー、登山に必要な装備などを紹介。HPの管理を担当する夫の慎一さん(42)と二人三脚で運営してきた。

 昨年7月、中央アルプスで韓国人登山客4人が死亡する遭難事故が発生し、韓国人登山客に対する関心が一気に高まった。

 内野さんは韓国と日本では登山に対する認識が異なると指摘する。韓国では最も高い山でも2000メートル未満なのに対し、日本アルプスでは3000メートル級の山が連なる。山頂付近は夏でも氷が張る厳しい環境のため、「全く違う登山をやりに来ると思ってほしい」。

 また、韓国の山は国立公園管理公団によって管理され、誰もが登山を楽しめるよう、手すりや階段が整備されている。管理公団は天候が悪いときに入山規制も行う。それに対して北アルプスでは難所でも鉄の鎖がついている程度。入山するかどうかも最終的には自己責任となる。

 内野さんは1998年、韓国に3カ月間の短期留学をした。まだ、韓流ブームが起こる前のソウルで、「人と人の距離が近い」韓国が肌に合った。

 帰国後、山荘で働くかたわら、下山してきた韓国人客に声を掛けて交流を楽しんでいた。そのうち韓国人と山小屋などの関係者の双方から不満を聞くようになった。

昨夏、上高地バスターミナルで韓国人登山者らと談笑する内野かおりさん(中央左、内野さん提供)=(聯合ニュース)

 韓国人は山で時にはお酒を飲みながら陽気に楽しむことが多いが、静かに自然と向き合いたい日本人から眉をひそめられることもある。韓国ではトイレがつまらないように使用済みのトイレットペーパーを流さずゴミ箱に捨てることもあるが、気を遣ってゴミ箱に捨てたのに日本の施設の人は驚いてしまう。「小さな摩擦が大きな摩擦につながる」。そう考え、双方の溝を埋めたいとホームページなどで情報発信を始めた。

 韓国からのメールでの質問にも丁寧に返信し、実際に北アルプスに来た韓国人客がお礼に訪れるなどして、新たな出会いが生まれた。

 三女の出産を機に休止していた「キルチャビ」は今年6月に全面リニューアルする。東京・新大久保で韓国食品スーパーなどを展開する「韓国広場」の金根煕(キム・グンヒ)社長の支援を受けた。韓国出身で登山が趣味の金社長も、これまで日本に来る韓国人登山客の様子を見て事故を危惧していたという。

 長野県も山岳遭難防止対策検討会を立ち上げ、増加する外国人登山客などの対応に乗り出した。内野さんも同検討会の委員を務めるなど、再始動する。

 大学の卒業旅行で初めて韓国を訪れた際、当時全く韓国語の分からなかった内野さんの世話をあれこれ焼いてくれた宿のアジュンマ(おばさん)が思い出に残る。別れる際にガイドブックの会話集を写しながらハングルで感謝の手紙を書いた。「言葉の通じないもどかしさが、言葉を学びたい原動力になり、より強く旅の出会いを印象付けたと思います」と他国の人と触れ合う醍醐味を語る。

 今後、登山シーズンが本格化する。新たな活動に「日本人と韓国人の距離が縮まり、交流がそこかしこに広がれば」と胸を膨らませる。

(斎藤寿美子) 

ikasumi@yna.co.kr