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[時論]10億円拠出に言及 少女像の解決迫る安倍政権

【ソウル聯合ニュース】韓国の市民団体が先月末に南部・釜山の日本総領事館前に旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像を設置したことをめぐり、日本政府が韓国に無礼かつ身勝手な圧力をかけている。安倍晋三首相は8日にNHKの番組に出演し、両国が2015年の慰安婦問題をめぐる合意で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し合ったと言及。日本は10億円をすでに拠出したとしながら、「韓国にしっかり誠意を示してもらわねばならない」と述べた。さらに「韓国は政権が代わろうとも実行することが、国の信用の問題だ」と強調した。日本政府は6日に長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事を一時帰国させると発表し、韓日の通貨交換(スワップ)協定の再締結に向けた協議も一方的に中断した。安倍氏が出演した番組は6日に録画されたもの。まるで軍事作戦でも行うように一日のうちにいっぺんに強硬な圧力カードを切ったことになる。外交の慣行に照らしても、礼儀も格式もない振る舞いに驚かされる。

 日本のような経済大国の首相が韓国の通貨にして100億ウォン程度の資金拠出に触れながら、自分たちが果たすべきことはしたという趣旨で発言するのは見るも哀れだ。慰安婦問題は金ではかることはできない。しかも日本はこの問題に関しては言い訳のしようもないことを自覚すべきだ。いくら韓国政府と合意した内容とはいえ、テレビに出演しそのように発言することは首相の格にもふさわしくない。その上、韓国は大統領の弾劾訴追という局面にあり、憲政的な危機状況に直面している。そこにつけ込み「次期政権」などと言いながら合意の履行を迫ったことに、言うべき言葉も失う。韓国の国民と政府に対する不実にとどまらず、侮辱に近い言いようでしかない。国同士の外交は商取引とは異なるべきだ。同じ内容でも伝えられる形式とルートによって全く別の意味合いに解釈される。安倍氏の発言は一国の政府のトップとして礼儀と品格を忘れ、同時に名分も失った。

 「易地思之」(相手の立場になって思う)で考えてみることはできる。ソウルの日本大使館前の少女像を囲み毎週開かれる「水曜集会」は今月4日で25年を迎えた。1992年1月8日に最初の集会を開いてから1264回目の集会だった。そこに、釜山にもまた少女像が設置され、驚いたかもしれない。しかし百歩譲っても、これは違う。両国間の外交ルートでまず不満を伝え合理的な解決策を協議することが当然、かつ自然だった。一言半句、相談もなく新年早々こうした行動に出るのは分をわきまえていないとしか言いようがない。直ちに駐韓大使と総領事の帰国を決める性急さもどうなのか。外交関係者の間では特命全権大使の一時帰国は国交断絶の前段階の措置と受け止められる。わずかでも相手国を尊重し理解しようとする姿勢があれば、こうしたことは難しかったはずだ。

 韓日両国が慰安婦問題を一段落させた2015年12月28日の合意は米国など友邦国から前向きな評価を得た。韓日両国が長年の葛藤を乗り越え新たな和解協力の時代を開くことができるようになったと評された。一方で韓国国内では、反発と波紋も小さくなかった。特に合意文に記された「最終的」「不可逆的な」という断定的な表現が国民感情を少なからず刺激した。釜山の東区が少女像を撤去しようとしたものの市民団体の反発により断念したことでも分かるように、この問題は政府が勝手にできることでもない。韓国政府が合意した以上は責任を取れというような態度は反民主的でもある。

 日本はこうしたアプローチが自国の利益にもならないという点をまず悟る必要がある。慰安婦問題は韓国だけでなく中国と東南アジアの一部の国にもかかわりがある。このように高圧的で傲慢(ごうまん)な態度で臨むならば国の品格の失墜を招き、ほかの関係国の警戒心を刺激しかねない。あらためて強調するが、慰安婦問題に限っては、日本は乞う方の立場でしかない。韓国など被害国にまず懺悔(ざんげ)し贖罪(しょくざい)する気持ちを持たねばならない。そうしてこそ被害国の理解と許しを期待することができる。先ごろ安倍氏がハワイを訪ね平和へのパフォーマンスをする間、日本では閣僚や議員が靖国神社を参拝した。それでいて1枚の合意文といくらかの金で慰安婦問題を永久に振り払うことができたと信じるならば、大きな勘違い、誤算だろう。