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2007/05/17 17:43 KST
金剛山から猪津まで、同乗記者による乗車手記


【高城17日聯合】17日に行われた南北を結ぶ列車試運転で、北朝鮮の金剛山駅から韓国の猪津駅に向かう列車に共同取材団が乗車した。以下は同乗した記者による手記。

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 午前11時25分、金剛山駅では急いで乗車するよう促す北朝鮮の乗務員の案内に、歓談していた関係者はディーゼル機関車がけん引する列車に乗り込んだ。駅に放送設備がなく、駅員はプラットホーム近くにとめられた自動車に設置された拡声器を使い案内を行った。

 列車は古さを感じさせる緑色の車体に屋根が灰色に塗られた客車だった。列車に乗り込むとつい最近塗装を終えたばかりのような臭いが鼻をついた。

 2号車に入ると、通路正面の出入口上部に金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記の肖像画がかけられていた。座席は韓国と北朝鮮の関係者が向かい合わせになるように配置され、4人がけの席にはサイダー1本、イチゴジュース1本、ミネラルウォーター1本が準備されていた。座席は固定されており、背もたれがほぼ垂直なためやや不便ではあったが、シートは意外にふかふかだった。

 午前11時27分。汽笛が鳴った。列車が前後にガクガク揺れると徐々に動き出した。列車は時速10キロメートル程度で駅を離れた。駅の周辺では地域住民が仕事の手を休めて列車を眺めていたが、手を振る人は見られなかった。

 金剛山もだんだんと視野から遠ざかっていった。線路周辺にはまだ苗付けを終えてない畑が広がっているが、人の姿は見えなかった。金剛山観光に向かう観光バスの列が道路脇の線路を走る列車に手を振ってくれた。

金剛山駅を出発する車内から(共同取材団撮影)

 列車の中では南北の関係者が談笑し、笑い声も聞こえてきた。「なにになさいますか」平壌奉仕隊から来た女性担当者が席を回りながら飲み物をサービスしてくれる。 

 午前11時50分ごろ、三日浦駅を過ぎ、北朝鮮の名称地である三日浦と海金剛が見えた。車窓には今回の試運転のために新築したという機関庫が見え、中から軍人10人ほどが列車を見守っていた。

 列車が速度を落としたと思ったら鑑湖駅に着いた。北朝鮮側最後の駅で分界駅となるため、税関検査が行われる。

 正午をまわり税関職員4人と駅員2人が各車両を回る。1人は「1番列車の乗客のみなさまを熱烈に歓迎します。これから通関と税関検査を行います」とあいさつし検査を始めた。写真のついた名簿と本人を照らし合わせ、デジタルカメラの検査も徹底して行われた。北朝鮮は過去にも、軍事や敏感な部分を写した写真を見つけると削除を求めることが多かった。こうしたことから通関には時間がかかったが、予定の出発時間が迫っているためか、すべての検査は終えられなかった。

 また汽笛が鳴り、列車が速度を出し始めた。これまでの2倍のスピードに感じた。汽笛を何度も鳴らし非武装地帯に入ると、午後0時21分に軍事境界線を通過した。車内では拍手が沸きあがった。

 境界線を越えると列車は速度を落とし、終着駅となる猪津駅に到着した。午後0時34分だった。鼓笛隊による演奏と統一旗を振る人たちを見て、半世紀ぶりに南北を結ぶ列車が運行された歴史的な瞬間を実感した。