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2007/05/17 15:25 KST
≪解説≫南北列車試運転、意味と今後の課題


【ソウル17日聯合】韓国と北朝鮮を結ぶ京義線・東海線の列車試運転が17日に実施され、京義線は56年ぶり、東海線は57年ぶりに休戦ラインを越えて列車が運行された。南北閣僚級会談で初めて京義線の鉄道連結に合意してから7年が経過して実現にこぎつけたものだが、朝鮮半島の歴史にひとつの区切りを打つ点からも意味は大きい。

 定期運行が保障されていない状態での試運転のため、今のところは象徴的な意味合いのが強く、実益はすぐにはないという冷静な評価も確かにある。しかし、さまざまな難関を乗り越えてようやくたどり着いた試運転は、正式開通と定期運行につながる第一歩となり、朝鮮半島からさらに大陸まで延びる鉄道として活気づく日を期待するのは、単なる夢にとどまらない。

 定期運行は特定分野にとどまらず、政治や軍事、経済、社会分野全般にわたる変化を引き起こすと予想される。鉄道運行の影響力は2004年末に開通した京義線・東海線道路とはレベルが違うというのが専門家の評価だ。試運転は分断と冷戦を克服しようとする努力の象徴で、ひいては民族としての共同体を回復する道を開くチャンスという点でも意味深い。同様に、政治・軍事的な面からも試運転までたどった道のりが南北間の反目と対立構図を脱却し信頼作りへの種まきの過程になったという点も見逃すことはできない。経済協力が軍事的緊張緩和をもたらした代表的なケースになるわけだ。

 政府は、南北物流のインフラ完成に一歩近づいたと説明している。空路は2000年に南北直行便が飛び、陸路は2003年に「東海・黄海地区南北管理区域の臨時道路通行の軍事的保障に向けた暫定合意書」で、2005年に8月には「南北海運合意書」に基づき海路が開かれているためだ。

 南北共同宣言後の3大経済協力事業として、金剛山観光と開城工業団地に次いで、鉄道・道路連結事業も一段落した。今後は水産業や農業、鉱業など新たな分野と水準の経済協力でさらなる進展局面に差し掛かろうとしている。

 列車の定期運行が実現すれば、経済的効果は運行区間の長さに正比例すると専門家は見込む。開城まで定期列車が走れば開城工業団地の物流コストを画期的に減らせ、政府目標通りにソウル〜平壌の列車が運行されれば、現在は海路に頼っている南北貿易をコストの低い鉄道輸送にシフトできる。政府はまた、鉄道で物資だけでなく乗客輸送まで可能になれば、南北間の接点が増え、南北経済共同体の基盤にもなると期待する。朝鮮半島縦断鉄道がシベリア横断鉄道や中国横断鉄道などの大陸鉄道と結ばれた時には、朝鮮半島が海と大陸でつながるハブの役割を果たすことになり、北東アジアの物流中心国という夢の実現にも近づく。この場合、北朝鮮の鉄道施設の近代化が先行しなければならないが、朝鮮半島の均衡開発を期待できる上に、北朝鮮としては鉄道輸送に伴う通過料収入が付加利益として発生し、北朝鮮の開発にも一助となる見込みだ。

 しかし今回の運行は1回限りとあって、今後越えなければならないハードルは多い。開通や定期運行のためには双方の軍当局による恒久的な軍事保障措置が必要だが、これをめぐっては双方の綱引きが予想される。建設交通部の李庸燮(イ・ヨンソプ)長官は16日、北朝鮮に意志さえあれば下半期に南北鉄道の開通が可能と述べた。まずは開城と金剛山までを念頭に置いた発言で、開城工業団地の物品輸送用と金剛山観光列車として活用することを意味する。政府の3段階鉄道開通案の第1〜2段階にあたり、ここまでは軍事保障措置が取られれば特に問題なく進む。一方、第3段階となる定期列車のソウル〜平壌区間運行には、北朝鮮の鉄道近代化作業が必要だ。政府は事前調査費用として10億ウォンの予算を割り当てているが、立ち遅れた北朝鮮の鉄道の近代化には朝鮮半島情勢の好転と北朝鮮軍部の態度の変化が鍵を握る。また、従来の南北経済協力とは異なり膨大な費用がかかる社会インフラ投資となるため、国民の合意も重要な変数となりそうだ。このほか、2005年に発効した「南北列車運行基本合意書」に基づき列車運行に関する実務的事案を扱う南北鉄道運営共同委員会を構成し、技術的・制度的な基盤も築いてかなければならない。

 シベリア横断鉄道については、これまで原則的な話し合いにとどまっていたロシアを含め3カ国の鉄道部門の協議を再開し実質的な話し合いに入り、鉄道当局トップによる会議開催も必要なら推進すべきというのが政府の考えだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は先月ロシアのプーチン大統領に親書を送り、朝鮮半島縦断鉄道とシベリア鉄道の連結事業など両国懸案を協議したいとして訪韓を呼びかけている。韓ロ首脳の決断により急進展する可能性もある。

 南北鉄道の定期運行、さらにシベリア横断鉄道と中国横断鉄道までつながれば、「鉄のシルクロード」ができると専門家はみている。しかし道のりは遠い。最低でも3兆ウォンと試算される北朝鮮の鉄道近代化コストも問題だが、京義線と京元線の複線電化や大陸横断鉄道との線路間隔の違いを克服するための技術的な方策にも取り組んでいかなければならない。