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政治

安倍首相演説は韓国の期待に及ばず 遠のく関係改善

【ソウル聯合ニュース】安倍晋三首相が29日午前(日本時間30日未明)、日本の首相として初めて米議会上下両院合同会議で演説したが、歴史認識の表明をめぐっては韓国政府の期待に遠く及ばなかった。慰安婦問題などを抱える韓日関係の改善は当分見込めそうにない。

米議会上下両院合同会議で演説する安倍首相=(AP=聯合ニュース)米議会上下両院合同会議で演説する安倍首相=(AP=聯合ニュース)

 安倍首相は演説で第2次世界大戦に対する「痛切な反省」を表明し、歴代首相の歴史認識を引き継ぐことを強調した。しかし、「アジア諸国民に苦しみを与えた」という表現はあったものの、侵略や植民地支配に対する謝罪や慰安婦問題には言及しなかった。

 今年は韓日国交正常化50周年と第2次世界大戦終戦70年にあたる。安倍首相は先ごろのアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議での演説、今回の米議会演説と、歴史認識を明確にする機会を得ながら、韓国などの呼び掛けにはついに応えなかった。

 韓国政府は対日関係で、歴史問題に関しては原則を保ちながらも安保や経済など互恵的な分野で協力するという「ツートラック政策」を取っているが、安倍首相が今回も期待に背いたことで、関係改善に弾みをつけることができなかった。むしろ韓日間の溝は一層深まりそうだ。

 さらに懸念されるのは、韓日の歴史問題が後回しにされかねないという点だ。日本は日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定と、「かつての敵対国」から「不動の同盟国」という新たな日米関係の確立を通じ日米同盟への自信を深めた。韓国の声に耳をふさぎ、日本のペースで歩みを進める可能性が高まった。米国もまた、日本との同盟強化を通じ本格的な対中けん制に乗り出しており、過去よりは未来を重視するとみられる。

 特に米国が日米首脳会談後の共同ビジョン声明で「日本を常任理事国に含む形で、国連安全保障理事会が改革されることを期待する」と表明したことから、場合によっては韓米関係のあつれきが生じるという懸念も広がっている。

 韓国政府は日本との関係改善の糸口をつかめないまま、外交力を試されることになりそうだ。朝鮮半島周辺でも日米の同盟強化により中国をけん制する姿勢が明瞭になり、最大の安保懸案である北朝鮮核問題の解決の道筋はついておらず、北朝鮮の核能力が高度化するだけという厳しい状況が続く。また、日本は中国をけん制する一方で、先ごろのバンドン会議で中国と首脳会談を行うなど歩み寄りを試みている。こうした中で韓国は身動きが取りにくい状況に追い込まれようとしている。

 政府に対しては「外交の失敗」「外交的な孤立」という批判が強まる見通しだ。与党セヌリ党の劉承ミン(ユ・スンミン)院内代表は「わが政府の対日、対米外交の戦略の不在と失敗を指摘せざるを得ない」とし、外交安保戦略の本格的な修正を迫る構えを見せた。

 これに対し政府は、尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が「こうした見解は現実を反映していない。われわれはゼロサムの考え方を克服する必要がある」と話すなど、反論している。

 政府は安倍首相の演説が関係改善につながらなかったことに失望しながらも、安倍首相の訪米を機に歴史問題が注目され、国際社会が警戒心を強めることになったとも主張する。当局者は聯合ニュースの取材に、「安倍首相の一言に一喜一憂するものではない。政府としては歴史問題に対し断固として対処しながら、安保、経済など互恵的な分野では協力を続けていく」と話した。

 次の反転の契機として、韓国政府は安倍首相が夏に発表する戦後70年談話に注目している。過去の謝罪として、戦後70年談話の持つ象徴的な意味合いは大きい。一方で、立て続けに韓国の期待に背いた形の安倍首相に期待するのは難しいという悲観的な見方も少なくない。

 困難な状況の中でも政府は関係改善の突破口を探り続けるとみられる。韓日の局長級による慰安婦関連協議の進展に努める一方、韓中日外相会談で「最も早期で都合のよい時期」の開催で一致した3カ国首脳会談を通じ、日本の態度を変化させるためのムード作りに乗り出したい考えだ。

mgk1202@yna.co.kr