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<インタビュー>開城工業団地事業手掛けた丁世鉉・元統一部長官
2013/04/30 14:02 KST文字拡大 文字縮小印刷 つぶやく

【ソウル聯合ニュース】韓国が北朝鮮との経済協力事業を行ってきた開城工業団地から人員撤収を決めたことに対し、事業スタート当時に韓国統一部長官を務めていた丁世鉉(チョン・セヒョン)氏は30日、聯合ニュースのインタビューに応じ、「南北関係の雰囲気が少し変われば、(開城工業団地を)再開できる」との考えを示した。

丁世鉉氏(資料写真)=(聯合ニュース)

 丁元長官は工業団地事業が10年で重大な危機に直面したことに懸念を示しながらも、再稼動へ希望をつないだ。また、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が韓米首脳会談のため訪米する前に、北朝鮮の前向きな姿勢を促すメッセージなどを出すことを期待した。

 以下は一問一答。

――統一部長官に在職中、開城工業団地の着工式と試験団地の完工式を行った。現在の状況をどう思うか。

「開城工業団地は着工からちょうど10年になる。現代グループが2000万坪の独占開発権を獲得した。当初は第1期が100万坪、第2期が200万坪の予定だったが、韓国の中小企業が試験的にでも入れるよう1万坪程度にしてほしいと要請した。2003年6月に着工式を行い、2004年6月末に試験団地の完工式を終え、私は翌日退任した。私が送り出した工業団地が10年で重大な危機に直面し、虚脱感も感じる。また復活させることができるか心配でもある。朴政権の南北関係への対処法をみると、果たして工業団地が復活するのか、心配が先立つ」

――開城工業団地は危機に陥っていた韓国の中小企業の活路になるとの観測が多かった。

「その通りだ。韓国中小企業の生命線と評価できる。中国や東南アジアのどの工業団地よりも賃金とアクセス性、技術力、労働者との意思疎通など、多くの面で競争力を持てる工業団地だからだ。朴政権は大統領選挙中に中小企業の再生を主要公約に掲げたが、どの中小企業を念頭に置いたものか、分からない」

――事業を始めるにあたり、難題が少なくなかったのではないか。

「まず、米国を説得するというのが難しい課題だった。韓米間の協定により、開城工業団地に持ち込まれる装備が軍事的に転用される可能性を判断する権限は米商務省にあった。韓国企業が同団地に持ち込む装備に米国の技術が入っていれば米政府の承認が必要だった。統一部の交流協力局長を米国に派遣し、開城工業団地が韓国経済の活路であり、同盟国の米国も手助けすべきだと説得を試みた。局長の2度目の訪米で、商務省の前向きな立場を取り付けることができた。 

 開城工業団地は当初、現代グループが50年間の独占開発権を獲得したが結局、独自開発を行うことができず、2002年末に共同開発者として韓国土地公社(現LH公社)を事業パートナーにした。ちょうど韓国で新政権が発足する時期に重なり、容易ではなかった。さらに土地公社が北朝鮮から開発権を得なければならず、結局、第1期開発事業がずれこんだ」

――開城工業団地は北朝鮮との事業だ。北朝鮮の説得も難題が少なくなかったのでは。

「開城は軍事地域のため、駐留する軍部隊を移す問題で北朝鮮軍部の抵抗が大きかった。南北分断が続く状況で軍事地域が経済協力地域に変わることに対し、北朝鮮軍部は内心穏やかではなかったが、結局は金正日(キム・ジョンイル)総書記(当時)が軍を抑え込み事業を行うことができた。

 この地域に暮らす住民の移住費も支払わなければならず、韓国では報道のたびに批判的な世論が起きた。しかし、事業に着手すると保守メディアまでが、工業団地開発で休戦ラインが10〜15キロほど北上することになると報道した。結局、工業団地は経済、安保とも利を得る事業ということになる。

 人件費交渉も簡単ではなかった。北朝鮮は労働者1人当たり月300ドル(約2万9400円)を要求した。北朝鮮との交渉の段階で、金総書記が新たな考え方を提唱し、北朝鮮では2002年7月に『経済管理改善措置』も発表された。ある日、北朝鮮は賃金を月65ドル、少し後には57.5ドルに引き下げてきた。工業団地の競争力を高める方法を自ら悟ったようだった」

――開城工業団地を再び稼動できるか。

「ひとまず南北関係の雰囲気が少し変われば、また始められるだろう。私が長官だったときは無から有を生み出したが、今は工場があり、働いていた北朝鮮労働者もいるため、再稼動のほうが、一から始めるよりはるかにたやすいのではないか。北朝鮮としても工業団地事業は開城市と周辺住民の生計に直結するため、余地があると思う。

 結局はどちらが先に工業団地を再稼動させる状況をつくるかという問題になる。北朝鮮社会をみると北朝鮮にはできないと思われるため、決定権は韓国政府にあるといえる。開城工業団地をよみがえらせることで軍事的な緊張を緩和し、朝鮮半島状況を安定的に管理する責任は、われわれにあるのではないか。そうでなければ機会費用の損失が大きすぎる」

――どうすれば再稼動への雰囲気づくりができるか。

「韓米首脳会談の前後が適期になるだろう。これを積極的に活用する必要がある。朴政権が『朝鮮半島信頼プロセス』と『ソウルプロセス』(北東アジア平和協力構想)に言及しているが、この二つのプロセスは入り口も南北関係、出口も南北関係だ。これらは中国やロシア、日本との関係のためのものではないだろう。北朝鮮問題を通じてプロセスを始めるしかない。朴大統領が訪米前に、北朝鮮が(交渉の場に)出てこられるような名分とメッセージをまとめることに期待する」

mgk1202@yna.co.kr