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インタビュー

<インタビュー>韓国プロ野球の“伝道師” 室井昌也さん

【ソウル聯合ニュース】韓国プロ野球の魅力に取りつかれ、頻繁に来韓して試合結果や選手情報などを発信している日本人スポーツジャーナリストがいる。室井昌也さん(40)=東京都在住。自ら運営する韓国プロ野球応援サイトや大手スポーツ紙への寄稿などで、ホットな韓国球界情報を日本に伝えている。韓国プロ野球のバイブルとも言える「観戦ガイド&選手名鑑」(論創社)は、今年で発行から10年の節目を迎えた。

 子どものころから大の野球好き。商用でしばしば訪韓した亡き母から話を聞いて興味を持った韓国に、29才の時、語学留学にやって来た。そして、母の思い入れが強かった異国の地でも野球にのめり込んだ。韓国プロ野球界との出会いがあったからだ。

 最初は日本とは違う自由奔放で、エンターテイメント性に富んだ応援文化にひかれた。当時、LGツインズで韓国球界唯一の日本人コーチだった清家政和さん(元西武、ヤクルト)と知り合った縁で韓国球界に深く入り込み、人脈も広がり始めた。「いつか日本人向けのガイドブックをつくります」「日本から韓国プロ野球ツアーに来ますよ」――。そんなことを韓国人選手らと話しているうちに、義務感が芽生え始めた。

 留学の翌年の2003年、早くも東京発のツアーを企画した。申し込み者はわずか3人。あまりの少なさにツアー中止も覚悟したが、旅行会社からOKが出たため実施することになった。3人の参加者のうち、1人が韓国野球好きの大手出版社役員だった。手持ちの選手データなどを紹介すると、トントン拍子で観戦ガイドづくりの話が進んだ。書籍出版のノウハウも伝授され、04年シーズン用となる創刊号を出版した。

 その観戦ガイドは毎年改良を重ね、内容も充実してきた。韓国では球団ホームページに本拠地球場に関する情報が少ないが、アクセスのための地図や情報を自力で見つけては掲載した。07年からは選手全員の寸評も載せている。「(04年の)初版本は恥ずかしくて見たくない」との言葉からは、丹精込めて執筆、写真撮影、エディティングを一人で行ってきた自負心が感じられる。

 読者からは「チケットが買えた」「迷わず球場に行けた」といった喜びの声や、観戦ガイドを持っていたことで韓国人が興味を持ち、ひいきチームや応援の仕方を教えくれた、と感謝の言葉をかけられることも少なくない。言葉の壁や国境を越えた野球ファン同士の交流にも一役買っている。

 観戦ガイドの発行と重なるかのように、韓国プロ野球は大きな発展を遂げた。シーズン観客動員は昨年初めて700万人を突破し、04年の3倍に達した。国際大会での韓国代表の活躍も目覚ましく、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では06年に3位、09年に準優勝。08年の北京五輪では日本やキューバなどの強豪を次々と破り、金メダルを獲得した。

 韓国野球の発展については「短期間で、想像できないほどの大きな変化を遂げた。国際大会では、明らかに日本のライバルになった」。韓国と日本のスポーツ対決では、日ごろから取材している野球だけは韓国を応援するだけに感慨深いものがある。

 そんな韓国プロ野球のことを、応援サイト「ストライク・ゾーン」、ブログ「ソウルはいつも野球愛」などで紹介している。また日刊スポーツの携帯サイト「ワールドベースボール」や韓国のスポーツ朝鮮でコラムも執筆している。週に1回、韓国語で書いているスポーツ朝鮮のコラムは掲載回数が400回に近づいている。韓国野球を日本に知らせるだけでなく、日本の野球や韓国で活躍する日本人選手、指導者を紹介する役割も担っている。

 観戦ガイド発行から10年。少数マニアが好むサブカルチャー的なものだと思って始めた韓国野球の取材は、今や各方面から専門性が求められ、日本の球団から韓国プロ野球のマーケティング方法などについてのアドバイスを頼まれるまでになった。

 「とにかく、続けることに意味がある」。今後も観戦ガイドや韓国プロ野球の観戦ツアーなどで、韓国と日本のプロ野球間の垣根を低くしていきたいと思っている。日本のプロ野球のセ・パ交流戦がアジア交流戦に発展することや、アジアシリーズの勝者とワールドシリーズ勝者による世界一決定戦の実施も夢だ。

 「そのためには韓国プロ野球のレベルアップが不可欠。日本の野球より下に見られたままでは、野球が国際的に広がらない」と熱く語る。1982年にスタートした韓国プロ野球は米国や日本と比べて歴史こそ浅いが、その分発展の余地は多い。今後も愛情を持って批判すべき点は批判するとともに、世界の野球ファンに韓国プロ野球を広めていくつもりだ。(張智彦)

sarangni@yna.co.kr